「聞いた話だから、ホントかどうか分かんないんだけど…双子座って、兄貴が人間で、弟が永遠の命を持っていたんだって〜」
「へぇ…?」

「片方は寿命があって、もう片方はないんだ。それって不公平じゃん? だから、弟は兄貴と寿命を半分こしたんだって」
「ふーん…」

「星空にいる時は神様で、地上にいる時は人間で、今も楽しく暮らしてるんだってさ〜。それってスゴイよねぇ〜」
「そうだねぇ」

「だからさ、双子座って優しい人が多い気がするんだ。だって、寿命半分あげちゃうんだもん」
「はは、そうかなぁ?」

「そうだよ〜。だから、栄口は優しいんだよ、きっとv」
「変な理屈〜」

弟からしてみればそうだけど、兄貴も双子の片割れなんだからさぁ。
そっちは図々しいっていうか、何ていうか…。

水谷のことだから、イイトコしか目に入ってないんだろうな。
まぁ、それが水谷のイイトコでもあるんだけど!

「山羊座は何で山羊なんだろ? 今度調べてみよっかな〜」
「山羊だから〜…よく眠ってたんじゃない?」

「えー、それって羊じゃないの〜?」
「あ、そっか!」

小さく笑ってると、繋いでた手を解いて、ぎゅうっと抱きしめられた。
優しいってよりは、ちょっと痛いぐらいに強く。

「…ねぇ、笑わないで聞いてくれる?」
「…なに?」

耳元で聞こえるちょっと真剣な声音に、俺もつられちゃった。
空いた手を水谷の背中に回してしがみつく。

「俺ね、栄口と二人でベッドにいると、たまに無性に切なくなる時があるんだ」
「…ど、うして?」

「分かんない。でも、栄口がすぐにどっか行っちゃうような…俺から離れちゃいそうな気がして、怖いんだ。栄口は、ここにいるのにね」

そう言いながらおでこにキスをして、少し泣きそうに笑った。
その表情を見て、俺も胸が苦しくなってしまう。
俺も同じこと思ってたって言えば…びっくりするだろうか。

「星を見てるとね、綺麗なんだけど…すっごく栄口に会いたくなっちゃうんだ。栄口に会うまでは、そんなことなかったのに」
「水谷…」

「だからね、俺考えたんだ。どうしてなんだろ、って。たぶん、前世はロミオとジュリエットみたいな関係だったと思うわけ!」
「前世? …俺たちが、ロミオと…?」

笑わないでって言われたのに、少しだけ笑っちゃった。
だって、それって前世も俺たちが出会ってたってことになるわけじゃん。

しかも、ロミオとジュリエットなんて…。
映画の見すぎなんじゃないかなぁ。


[*prev] [next#]

2/5


目次SRTOP





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -