「…とりあえず、HRは出よう。そしたら、全員中庭に集合だな」
「分かった」
花井が指示を出し、皆が頷く。
俺はというとサーっと血の気が引いていた。
早く人間に戻んないと、ますます話がややこしくなる!
急いで裏庭まで走ったものの、まだあの猫はいなかった。今日はたまたま5時間目で終了だけど、いつもは6時間目まであるしな…。
あと1時間は帰ってこないのかもしれない。つったって、あと1時間の内にどんどん話が進んでしまいそうだ。
(どうしよ…!?)
戻る方法なんて知らん。
かといって、このままあいつらを放っておくわけにもいかねぇ!
短いHRの時間が終り、中庭にわらわらと野球部が集まりだす。
誰一人として笑ってないのが怖ぇ…。
花井「今日、泉見たヤツは誰もいねーんだよな?」
田島「ああ…。朝のHRからいなかったぞ?」
阿部「そもそも学校に来てたのか?」
水谷「どっか行って遊んでるのかも?」
西広「今までそんなことなかったじゃん…」
沖 「そういうことするように見えないし…」
栄口「…情報、集めてみる?」
巣山「ああ。俺たちは見てなくても、誰かは見てるかもしんねぇな」
浜田「そ、そうだな…」
三橋「…だ、大丈夫?」
浜田「ああ、ごめん…」
浜田の顔が青い。
俺はここにいるんだぞ、とにゃーにゃー鳴いてみたけど、誰一人として相手にしてくれなかった。
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