「あー、分かった。あの人な」
「何だよー! 俺みたいなチビは眼中にないのかよー!?」

「身長関係ないだろ。ていうか、あの人彼氏出来たんだって」
「……かれしぃ? はないのこと…?」

「ちげーよ。先輩だって。だから、浮気とかしてねーっての」
「……本当かよー。だって、花井、前に…」

ぐすぐすと泣く田島の頬を撫でてやれば、途端に安心したみたいに擦り寄ってきた。それがまた赤ん坊みたいで、少し笑ってしまう。

まぁ、こいつがパニックになるのも無理はない…かな。前に俺に「付き合ってくれ」って言った人だし。

「田島しか見えてねーよ。だから、心配すんな」
「……ほんとー?」

田島を深く抱きしめてるわけだから、俺の顔は見えないはず。
顔見てなかったら、俺にだってこれくらいは言えるんだぜ。

「本当。…まだ怒ってるか?」
「…んー、あとちょっと…」

「じゃあ、どうしたら機嫌良くなる?」
「……いっぱいちゅーするv」

少し赤い目を閉じさせて、思う存分、キスに集中した。
その間に田島はすっかり機嫌を直したようで、へへっと笑ってみせた。

「…なぁ、花井〜vv」

ごろごろと甘えながら名前を呼ばれる。
背中を撫でながら返事をすれば、「俺がいなかったら、誰と付き合う?」とかって意味不明な質問をされた。


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