疲れたぜ、とため息をつくと、今度は抱っこされる。
もうどうにでもしてくれ、と大人しく栄口の腕の中に収まってると、ふいにおでこにキスされた。
…え!?
「可愛い〜v」
「…おまえな、すぐキスすんのやめろ」
そういや、こいつ合宿でもフキにキスしてた気が…。
「だって可愛いじゃんかv」
「水谷が見たら怒り狂うぞ」
「だっていないし〜v」
「います!!!!」
『ええー!?』
「にゃー!?」
俺と栄口、巣山の叫び声が響く。水谷、お前いつからいたんだよ…!
「ちょっと栄口、聞き捨てならないセリフを言いましたね?」
「えっ!? な、何のこと…?;」
「俺がいなけりゃ浮気してもいいってことでしょ!?」
「まぁ待てって、相手はネコだろ?」
「ネコでも何でも一緒! そういうスタンスってことでしょ!?」
「ち、違うってばー!;」
いきなり痴話喧嘩を始められ、付き合ってられんと腕から飛び降りた。猫にまで嫉妬すんのか、このバカは。
「水谷、それより何でここにいるんだ?」
「…ああああー!!! そうだ!!」
超デカイ声がまた響き渡り、耳がキーンってなった。こいつ、元に戻ったら2発殴ってやる…!(…)
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