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「ダーッハッハッハ!」
「るっせぇよ! 大体、お前が紛らわしい言い方してるからじゃねーか!」
「かの〜v 可愛いわ〜vv」
「っせぇ! お前のせいでもあるんだからな!」
畠と吉が笑い転げ、織田は後ろからぎゅうぎゅうと抱きしめてくる。
俺は自分の失態に、茹でられたタコのように真っ赤になっていた。
どうやら、織田が和歌山へ帰るには帰るんだけど、法事での一時帰省らしい。
今週末、二泊三日してくるっていう…。
「ごめんなー、かの〜v 今日言おうと思っててん〜v」
「ハンッ! っせぇよ! お前なんてどこへでも行っちまえ!」
「『俺を残してくのかよバカおだ〜!』だって〜!」
「『遠距離はムリ』なんだな〜、かのー! 寂しん坊だなー!」
畠と吉が俺のセリフをリピートしてギャハギャハ笑ってる。
あまりにもうるさいので、二人のみぞおちに正拳突きをかまし、息の根を止めた。(!)
「かのー残して、どこへも行かへんで〜v」
「…ったりまえだ、バカヤロー」
ぎゅうぎゅうと抱きしめられて、織田の体温が移ってきた頃には、俺もすっかり落ち着いてきた。
死んでる二人はいないものとし、抱きついてごろごろと甘える。(…)
「出来るだけ早ぅ帰ってくるなーv」
「…別に急がなくてもいいから、気をつけて行ってこいよな」
「おうv メールするわ〜v」
「おー」
ちょっと寂しいけど、
織田もたまには帰らないとダメだよな。
たった二日だし、
日曜の夜には戻ってくるから…我慢我慢。
* * *
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