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チャイムの音で目を覚まし、教室内の時計を窓から覗けば、5時間目終了の時刻だった。
ふわああとアクビをして、ぐぐっと背伸びをする。

さて、そろそろあの猫帰って来てないかな。
てこてこ歩いてる道中、またチョウチョがひらひらと飛んでいて、今度は名も知らない青い花に留まった。

なんとなくジーっと見ていると、またも後方から「あ!」と声が聞こえた。
反射的に振り向けば、今度は栄口がジャージ姿でニコニコしてた。
今度は1組が体育だったのか。もう終わってる時間だけどな。

「可愛いね〜!」
「ん? ああ、そうだな」

隣には巣山もいる。逃げようかどうしようかで迷っていると、栄口がてててといなくなった。
何すんだろうと思ってると、すぐに戻ってきて俺の目の前にしゃがみこむ。

「ほら!」

そ、そのアイテムは…!

「ほらほら、猫じゃらしだよ〜v」

や、やめろって!
体が勝手に…!


「あはは、やっぱりやるんだv」
「阿部を思い出すなw」

一緒にすんな!!(一緒ですよ)
く、くそ…!(てしてしてし…)

「一生懸命だね〜v」
「お前がやらせてんだろ」

巣山が「もういいだろ」って止めてくれたおかげで、栄口の猫じゃらし攻撃は終わった。
まさか栄口に翻弄されるとは…。


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