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保健室。
陸上部の先輩たち6人と、保健医、モモカン、篠岡が浜田の寝てるベッドを取り囲んでいた。
それに俺と三橋も混ざり、浜田の様子を見る。
ぱっと見、どこもケガしてないような雰囲気だった。焦点も定まってるし、言葉もハキハキしてるし。
冷えた怖い感情がそこで一気に溶けて、大きなため息をついた。
何だよコイツ、ビックリさせんなよ…。
「…タクシー、呼びましょうか」
「…は?」
保健医の神妙な声とは反対に、俺はマヌケな声を出してしまった。
タクシー? って、コイツ何か…?
すぐに聞きたいのに、全身が固まってしまったみたいに動かない。
声が出ない。
「…校長室、行ってくるわ。あなた達も、状況を詳しく話さないといけないから、ついてきてちょうだい」
「は、はいっ…!」
「すいません、俺が不注意だったから…!」
「私の責任でもあるわ。…さぁ、行きましょう」
モモカンも怖い顔をしていて、先輩たちは今にも泣きそうにしていた。
ちょっと待ってくれよ。
校長室とかタクシーとか、何の話だよ?
「あ、あのっ…!」
「三橋君、今日は野球部の練習は中止になるかもしれないわ。花井君たちに伝えてきてちょうだい」
「ど、どうし、て…」
「先生、後はお願いします」
はい、と小さく返事が聞こえ、モモカンたちは保健室を出て行った。
しーん…と、誰も何も話さない状況だったのを打破したのは、浜田本人の一言だった。
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