「…浜田!! テメー起きろっ!」
「泉、揺らすなって!」
起きないこいつの体を揺さぶりながら、名前を呼び続けた。
それを西広や巣山が止めに入ってくる。
じっとなんかしてられるか。
呼ぶより怒鳴ってるって言った方が正しいってぐらい怒気を含んでると、薄く浜田の目が開いた。
「浜田!?」
「……っ」
起き上がり、痛そうに後頭部をさすってる。
それに、全員が安堵の息を漏らした。
「浜田君、大丈夫!?」
「……ってて」
モモカンも来て、まだ意識が定まらない様子のこいつを保健室へと連れて行った。
***
俺達は練習に戻らないといけないんだけど…気になって気になってしょうがない。
「いずみく、だいじょうぶ…?」
「あ、ああ…。ゴメン」
捕り易いはずの三橋の球が、全然捕れない。
手に力が入ってないみたいだ。
それを見かねてなのか、花井が俺と三橋を呼んだ。
保健室に行って様子見てこい、って。
「…い、いいのか?」
「ああ。俺達も気になるし、報告してくれ」
「わ…分かった。いくぞ、三橋」
「はいっ!」
グローブも球も放ったらかしにして、俺たちは保健室へと向かった。
* * *
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