流れ星なんていらないんだ。
ただ、
君だけが傍にいてくれたら。
●●星に願いを●●●
「おだおだおだーぁ」
「何やぁ?」
部活終わり。
着替えが遅れた俺の周りを、ちょこちょこ動きながら名前を連呼される。
「今日さぁ、寄り道してこーぜー」
「ええけど、どっか行くん?」
今日は監督の事情で、いつもより早い夕方までの練習になった。まだ空も赤くなってない時間。
特に予定もないし、すぐ誘いにのる。
ていうかどんな用事あっても、叶を優先するんやけどな。
「別に、どこってわけじゃねーけど…」
ムッとほっぺたを膨らませて、少し俯いてしまう。
その仕草がまた可愛いねんけど…。どんだけ惚れさせたら気が済むねん。
「着替え終わったら、監督に呼ばれてんねん。待っててくれるか?」
「おー」
深追いはせずに、話題を逸らして機嫌を損ねないよう気をつける。
こないだ浜田に教えてもらったことに忠実にして。
ツンデレは深追いしたらアカンねんて。
さすが、普段泉を相手にしてるだけあって説得力あるわ。
その後、監督の用件を聞きに行った俺は、待たせたお詫びにとポカリを二つ自販機で買い、叶んとこに走った。
***
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