明日から始まるテスト週間。
それやのに俺らが向かうところは、机やなくて遊園地。
今日は、どんな叶が見れんねやろ。
●●1秒間の永遠●●●
「織田、早くしろよ!」
「はいはい、走ると転ぶでー」
お互いが風邪をひいていた事もあって、今日やっと、念願の初デートまで漕ぎ着けることができた。
叶のリクエスト:『遊園地がいい』
断固として譲らなかったそれに、俺の頬は緩みっぱなしや。
どこまで可愛いねん、ホンマに。
「織田、ここで並んでろよ。ジュース買ってくる」
「何や、そんなん俺買うてくるで?」
「お前デカイからすぐ見つけられるだろ。黙って並んでろ」
「へーへー」
そう言うて、叶は自販機まで駆けてった。
その後姿を、ニヤニヤして見つめてもうた。
せやかて…
『めっちゃデートやん!』
『今の会話、めっちゃデートっぽいやんか!』
一人心の中で、今の状況をものっそい楽しむ。
ああ… めっちゃ抱きしめたい…!
俺の考えてることが叶にバレたら、絶対しばかれるな。
「織田、気持ち悪いぞ」
「え! いつの間におったん?」
「今。ニヤニヤしやがって…」
「はは、しょうがないやんか〜。デートやしぃ〜v」
「…オラ、前進んでるぞ。さっさと歩けバカ」
「うん〜v」
少し照れながらそんな事言う叶は、反則的に可愛いねん。
今日はずっと、顔 緩みっぱなしやな。
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