甘えて、甘やかして。
支えて、支えられて。
そんなバランスが、
ちょうどいいんだ。
●●シーソー・ライフ●●●
最近、浜田の様子がおかしい。
ボーッと遠くを見つめていたり、ため息も多い。目の下はクマが濃くできていて、心なしか痩せたような気もする。
原因は分かってる。
バイトのし過ぎだ。過労ってやつ。
それは誰が見ても明らかで、クラスの奴ら何人にも心配されていた。
それに軽く「大丈夫〜」って返してたけど…空元気にも程があるだろ。
「ねぇ、泉」
「…んー?」
練習終わり、栄口とトンボやってると、心配そうに話しかけてきた。内容は、俺が今考えていたことと同じコトで。
「このままじゃ倒れちゃうんじゃないの?」
「っても、俺がどうこう言えねーし…」
「何言ってんの、泉しか言えないだろ?」
「…んー」
浜田だって生活がかかってるわけだし。っても、ここまで働き尽くめしなくても十分だってのは聞いてる。
ただ、今が忙しい時期らしくて、人手が足りないらしい。
「過労で倒れる前に、ちゃんと言ったほうがいいよ。お節介かもしれないけどさ…」
「そうだよな…。うん、今日言ってみるわ」
変に倒れて医療費がかかったら、それこそ元も子もないもんな。
心配するきっかけをくれた栄口にお礼を言いながら、久しぶりに浜田の家に行くことにした。
***
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