最近、田島の様子がおかしい。

全然くっついてもこない…っていうか、むしろ近寄ろうともしない。

俺、何かしたっけか…?


●●イタズラなキス●●●

「どうしたの? 花井」
「…あ。別に、…」

昼休み。
阿部と栄口で集まってちょっとしたミーティング中。そんな中、心配そうな顔をして栄口が聞いてくる。
その反対に、阿部はつまんなそうに一瞥していた。

「田島と何かあったの?」
「え! な、なななんで、んなこと!!」

「バレバレだっつーの。花井、田島と別れたんか?」
「ちょっと、阿部…」

ズバリ聞いてくる阿部を、栄口がたしなめる。

「ちげーけど…」

「けど?」

「分かんねーけど、怒らせたっぽい…?」

そう。
話しかければ仏頂面だし、いつでもどこでもくっつこうとする田島が、最近は全然そんなスキンシップもない。

最後にくっついたのは、4日前。
そん時は普通だったのに、次の日になったら…避けられてる。

「ふーん。何かしたの?」
「身に覚えはねぇな…」

「田島に聞いてみりゃいいじゃねぇか」
「聞けるかよ…」

聞いたところで、
「花井に飽きた」とか何とか言われたら、もう立ち直れない。

「メールは普通なんだけどなぁ。…田島から何か聞いてない?」
「俺は聞いてないけど。阿部は?」

「俺は三橋にしか興味ない」
「…あっそ」

阿部に呆れたところで、昼休み終了のチャイムが鳴る。栄口は自分の教室に戻り、阿部は席に戻った。

授業の内容なんて、右から左へ通り過ぎていく。

田島…おまえ、何考えてる?


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