「そしたらさ、おばさんが『流れ星じゃなくてもいいのよ』って言うんだ」
「へぇー…。代打があるん?」

「そう。何だと思う?」
「んー…、それも星なん?」

「うん」
「何やろ…何かの星座とか?」

他には何も思いつかず、素直にそう答える。
でもそれは不正解だったみたいで、微笑みながら首を横に振られてしまった。

「教えてほしいか?」
「うーん……。分からん。教えてや」

「流れ星じゃなくて、一番星でもいーんだって」
「一番星?」

「そう。でも、『誰よりも早く見つけた人限定』なんだって」
「誰よりも、って…世界中?」

「はは、そうみたい」
「そっちのが難しいんちゃうの?」

「そうなんだよなー」

笑い合いながら、またポカリを飲んで、空を見上げる。鳥が群れを成して、どこかへ飛んでいくのが見えた。
その向こう側に、キラリと光る星。

「あ! あれ一番星じゃねぇ!?」
「俺も今見つけたとこや!」

俺が言うより早く、叶が指をさした。
少し茜色が強まった空。ひとつだけ星が輝いている。

「他に誰か見てたかなぁ」
「どうやろ。試しに願い事言うてみたら? 叶うかもしれへんよ」

笑いかけながら言うと、叶は戸惑ったように視線をそらした。

少し顔に赤みが差したように見えるのは…夕焼けのせいやろか。

 


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