「家に連絡したかー?」
「面倒くせー。んな律儀に連絡しなくたって分かってるだろ」
「一応した方いーって。俺しとくから」
「マメだねぇーぃ」
バカにしたように言う泉だけど、本当は少し感心してんの知ってんだ。まぁ、ポイント稼ぎにしてるわけじゃないんだけどさ。
泉はこんな可愛いわけだし、誰かに襲われてんじゃねーかって心配してるかもしんないし。…男だけど。
「もしもし、浜田です。いつもお世話になってます」
『あら、また遊びに行ってるの? まったく、ごめんなさいねー』
「はは、いーんですよ」
『今度はご招待する側にならないとダメねー。いつでも来ていいのよ』
「はい、すいません……」
いつ来れるかとか、ちゃんとご飯食べてる?とか。何だかいつもよりおばさんと話が弾んでしまって、つい、泉を放っといてしまった。
電話を切った後の泉の機嫌が、少し下降してる。いや、不機嫌っていうか、不貞腐れてるだけだな。言わないけど。
「随分長電話だったなー…」
「わりー。今度遊びにおいで、だってさ」
「ふーん…?」
ぷいっとテレビにまた視線を移すけど、内容が入ってってないのがまたバレバレ。
笑うとこで笑ってないし、チャンネルしょっちゅう変えてるし。
[*prev] [next#]
4/8
【目次・SR・TOP】