「も、もももしかして栄口…誘ってる、とか…?」

「むー、ちゅー…v」

「……!?」

甘えるようにちゅーしてくる栄口に、俺の納豆の糸ぐらいに細い理性がふっと消えそうになったんだけど…!

「…さ、栄口、酒臭い…?」

ふわっと香る、アルコールの匂い。
でも、お菓子しか用意してないし、まさか勝手に冷蔵庫からビールとるわけないだろうし。
栄口だって、そんなの持って来てなかった。まさか、と思ってお菓子の包み紙を見ると…。

「むー、みずたに、すきー…」
「…ね、ねぇ。もしかして、これのせいかな…?」

マロングラッセの包み紙を、栄口に見せ付ける。それを見て、「あー、おいしかったから3個食べたぁー」とか言ってる。

もう間違いないや。
確かに、栗を酒で漬けたものだけど、こんなんで酔っ払う栄口ってどうなの!?

いや、嬉しい展開っていうか、オイシイ展開なのは間違いないんだけど…!

「みずたにー、ちゅーはー?」

「へ!?」

「もー、おればっかじゃんー…みずたにからもしてよーぅ…」

ちょ、やめて!
そんな可愛い顔で誘惑しないで!!

「あの、あのさ、水でも持ってくるから、ちょっと待って! ね!?」

「やだー、やだやだ! 今すぐー!」

駄々っ子になるのか、栄口って…。

って、違う!
今の問題点はそこじゃない!

ど、どうする!?


ねぇ、この場合、

どうしたらいいのかな!?




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