ほわんとした雰囲気の中、ふいに家の電話が鳴った。今は俺達しかいないから、栄口にちょっと謝りながら、廊下に出る。

「はい、水谷ですー」
『あ、私ー。お母さんです』

「ん、どうしたの?」
『あのねー、悪いんだけど、今晩のね…』

どうやら、夕飯のオムライスにする卵を買い忘れたのを思い出した、とか言って、タイムサービスしてる今の時間に、おつかいしてきてほしいっていう内容だった。

せっかく栄口といるのに…と思いながらも、夕飯が白飯になるのはイヤだったから、しょうがなくちょっとだけ抜けることにした。

「ごめんねー、すぐ帰ってくるから!」
「はは、いいよー。行ってらっしゃーい」

笑って送り出してくれた栄口に、『何かちょっと新婚ぽい!』とか一人でニヤニヤしながら、タイムセールに間に合う為に小走りでスーパーに向かった。






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