「ちょ、だから何やったん?!」
「見て分かんねーの? 催眠術じゃん」

「え、えええ!? かかってたん!?」
「バカ、大声で言うなよ」

コソコソと喋る俺達を、訝しげに見る叶。
不機嫌になってんの分かるけど、今はちょっとそれどころやない!

「何てかけたん?」
「…何だと思う?」

それは…例えば『織田が凄く好きになる』とか…? そう伝えれば、吉がハハハと笑った。

「ちげーよ、もっと単純」
「なに?」

「『素直になる』ってかけただけ。まさか、ここまで恥ずかしいこと考えてたとは思ってなかったけど…ってぇ!」

「お前ら、何コソコソしてんだよ!」
「か、叶!」

一人ずつパシィーン!とスリッパで頭を叩いてく叶。はは、いつもの叶やわ。

「何でもないで。ホラ、お前らもう用ないねんから、出てけや」

「あ、何だよその言い草。お前にいい想いさせてやったのに」

「いーからいーから」

ブツブツ言いながら、みんな出てった。

ゆえに、今は叶と二人きり。





 


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