「でも、俺聞いたんだけど」
「な、なに…を…?」
「三橋が俺を好きだって」
「だ、誰が、そんな、こと…!?」
おれは誰にも言ってない。
栄口君にも田島君にも、泉君にも浜ちゃんにも誰にも言ってない、のに…!
「田島」
「ええぇえぇー!?」
「『阿部は、三橋のことどう思ってんの?』とまで聞かれた」
「ええええええー!?」
「うるせーな…」
「だ、だだだだってそそndjgijopsf!」
「バグってんぞ」
「おれ、田島くんに、言ってない!」
「誰にも言ってないの? 俺が好きだって」
「い、言わないよ、そんな! 誰に、も、言ってない、よ!」
「ふーん。じゃあ、誰にも言ってないけど、俺のこと好きなんだ?」
「……ぁ」
「はは、ひっかかったな。ごめんごめん」
そう謝ると同時に、阿部くんの着替えが終わった。
そしておれの方を見て爆笑してる。
反対に、おれは全然頭がついていかない。
「ど、どーゆう…?」
「こーゆーこと」
全身がぐらぐらしてるおれを、阿部君がぎゅっと抱きしめてきた。
痛いくらいに、強く。
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