「ほら、泉」
「…サンキュ」
濡れたタオルを渡されて、両目に当てる。
泣きすぎて腫れてしまった目を、いくらかでも落ち着かせようとして。
こんなに泣いたのはいつぶりだろう。
ぼやんと考えていると、またぎゅうってされた。
もう抵抗する気力もなくて、なすがままにしておく。
「俺さ、泉がこうやって、そばに居てくれればいいんだ」
頭の上から浜田の言葉が降ってくる。
それに心地よさを感じるけど…でも恥ずかしさもあって、何も言えなくなる。
「だから、無理に泉をどうこう、ってのしないから。そこは安心してほいしいっていうか…俺も、そこまでケダモノじゃないし…」
「…ちげーっての、バカはまだ」
「え?」
こいつは、俺がヤリたくないとか思ってんだろう。
まぁ、俺もまだちょっと抵抗あるけど…そういう問題じゃなくてさ。
泣き疲れたせいだろうか。
今なら、素直に言える気がする。
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