ダメだ。
バレちゃうから、ドキドキしたらダメだ。
静かな部室。
もしかしたら おれのドキドキが、阿部くんに聞こえちゃうかもしれない。
「あのさ、ストレートに聞くけど」
「え…?」
「三橋さ、…俺のこと好きなの?」
「……!?」
眩暈がした。
やっぱりバレてたんだ!
阿部くんは、何でも分かっちゃうスゴイ人だ。
おれのことなんて、一発で分かっちゃうんだ…!
「ち、ちちちちがいままますす!!」
「え? 違うのか?」
ぶんぶんと頭を縦に振る。
もちろんウソだけど、阿部くんに嫌われたくなくて必死に訴える。
阿部くんは顎に手をもってって考え事をしてる。
おれはさっきから冷や汗が止まらない。
きっと顔面蒼白だ…!
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