***


「だ、だめ! あべく…!」


阿部くんからのキス、本当はとっても嬉しいけど…今は、ダメ。

しゅうちゃんが、一緒にゲームすんの楽しいって言ってたから。今は…ゲームしたいんだもん。

おれの拒絶に、阿部くんがちょっとムっとした顔をした。
あ、怒らせちゃった、かな…?

「あの、えと、お、怒った…?」

「…ふふ。いや? わり、ゲームだったな」

「う、うん!」

良かった、怒ってない…!
それに安心したおれは、DSの起動ボタンを押す。

その間、阿部くんは後ろでぎゅってしてくれてる。ニヘヘ、あったかいなぁ…。

「何すんの?」

「え、と。どうぶつの、村です!」

「動物? どういうゲームなんだ?」

阿部くんの質問に、おれは拙いながらも、説明した。

動物と仲良くなって、喋ったり競争したり。
花に水をあげたり、魚を釣ったり、お手紙出したり、星に祈ったり。

そういうゲームなんだよ、と教えたら、阿部くんはクスクス笑ってた。

「お前らしいな…戦ったりしねーの?」

「し、しないよ! だって、仲良し、だもん!」

自慢じゃないけど、ゲームの中のおれは、みんなと仲良くできてる。

現実も、こう上手くこなせたらいいのに…って、ちょっと思ったりして。


  


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