「しゅうちゃんがね、遊園地の話、教えてくれてありがとう、って!」
「…へぇ?」
「で、お返しに、教えてくれた、んだ!」
「…何を? DS?」
「う、うん!」
そう言って、またもじもじし始めた。…これじゃ、日が暮れちまう。
さっさと聞いてしまおうと、答えを催促させた。
「DSをどうすんの?」
「あの、ね。しゅーちゃんね、おだくんに、ぎゅってされるの、一番すきなんだ、よ」
「ふーん」
「でね、その…おれも、阿部くんに、されたいなぁ、って…」
ほっとんど聞き取れないぐらいの声で言う。
抱きしめておいて良かった。
じゃなきゃ絶対届いてないぞ。
「今もしてるじゃん」
「じゃ、じゃなくて! 前、じゃなく、て、その…後ろ、から…!」
「ああ、そういうことか。了解」
後ろからぎゅってされながらDSしたい、ってことなんだろうと解釈する。
望みどおりに細っこい体をぐるんと回転させて、後ろから抱きしめる。
「これでいい?」
耳元でそう囁いてやれば、耳まで真っ赤になってコクコクと頷く。
その反応に気を良くした俺は、儚げな首元に唇を寄せた。
***
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