あの日。
初デートでまさかそんな遠出をするとは思わなかったけど、今思えば、三橋も必死だったんだろう。
珍しく頑として譲らなかったその場所に、俺の頬も緩む。それだけ、俺との『永遠の愛』が欲しかったわけだ。
「あん時、あんな場所でまさか三橋からキスされるとは思わなかったな」
「え! あ、あのっ…」
照れてわたわたと動く三橋を、痛くないように…でも、強く引っ張る。
それに、三橋がカチンと固まった。
動かない体を、体温で溶かすように抱きしめる。
まだ付き合いたての頃みたいに、いつまでも初々しい奴。 …やべ、ニヤけてねーか?
目の前の細い体を抱きしめつつ、ニヤケ顔を隠すように首元に顔を埋めた。
「それで? また遊園地行きたいってか?」
「ち、違うよ! えと、こ、これ!」
「?」
見ると、淡いグリーンのDS。三橋のだ。
それとこれと、何の繋がりがあるんだ?
[*prev] [next#]
3/8
【目次・SR・TOP】