「図星だな。案外、ウブなんだなー、織田はー」
今までの鬱憤晴らしなんか、吉は俺をいじめるようにグサグサ言うてくる。
「ちゃうねん! 徐々に段階踏んでんねん!」
「ほー?」
「キスかて、やっと叶も舌使てくれるようになったんやで!」
「…はいはい。もういいよ。チームメイトのそんなの聞きたくない」
「嘘やないで! 叶の舌はちっこくて、それ絡めとるとめっちゃ可愛い声で声出し…っつ〜〜!!!」
「何喋ってんだ! このバカ織田!!」
熱弁に気をとられて、後ろに叶が立ってんのに…気づかんかった。
頭がぐわんぐわんする…。
野球ボールが転がってるってことは、それが見事、頭にヒットしたみたいやな…。
「どうした? 叶」
「わ、忘れ物、取りにきただけだっ!」
そう叫びながらDSを奪うように取り上げ、バタン!と大きな音をさせて、またいなくなった。
「おい、ダイジョブか…?」
「星が見えるわ…ッテテテ……」
「はは、フォロー大変だな」
そう笑う吉を見ながら、
どうやって弁明しようか、
また俺は頭を使うのだった。
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