・ ・ ・ ・
「吉、帰ってくんの早いわ…」
「むしろ遅いぐらいだと思ったけど?」
そう言いながら、吉は机に座ってゴソゴソしとる。はぁ…めっちゃいい雰囲気やったのに…。
「はー…。かのー…」
「いねーよ」
「分かってるわ!」
さっきまでの甘い雰囲気から一変。
またいつもの日常に戻らされたことに、寂しさが残って。
「はぁぁ…叶と同室やったらなぁ…」
「あっそ」
「何や、さっきから冷たい奴やな」
「はいはい」
「何やねん。もっと興味持ってや」
「何でやねん」
イントネーションが標準語のツッコミを食らいながら、冷たいだのヒドイだの言ってると、吉がこっちを向いた。
「じゃー聞くけど。ぶっちゃけ、どこまでイッてんの?」
「ヤーラシーなー、そんなこと聞きたいん?」
ニヤニヤしながら言うと、吉も同じように笑いながら。
「どうせキス止まりだろ?」
ズバリ的中のその一言。
俺のニヤニヤ笑いは、そこでピシッと固まってしまった。
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