「このまま、ええか…?」
「…ん、このまま…?」

このままってことは、バックからってこと?でも、そしたら織田の顔が見れねーじゃねーか。
今だって、嫌だけど耐えてたのに、これ以上耐えろっつーのかよ…。

「やだ。前からがいい」
「…立って前からって、でけへんよ?」

「やだ、前じゃないとやだ」
「ホンマに…」

またくるんとひっくり返されて、織田の苦笑してる顔が見えた。
その照れたような困ったような顔が、凄く可愛く見えるのって…俺だけ?


「んー…どうしようか…」
「お前が考えろ。前じゃないとやだかんな」


織田の首に両腕を巻きつけて、胸に頭を押し付けて甘える。
その俺の行動に嬉しそうに抱き返してきて、閃いたように「あ」と声を上げた。

「叶、ちょっと抱っこすんで」
「ん?」

そのままぐいっと持ち上げられ、本当に抱っこされる格好になった。そして織田がロッカーの方に背を向けて寄りかかる。

「叶、力抜いて…」
「え、このまま…?」

「そう。大丈夫、叶は俺にひっついてるだけでええから…」
「…う、でも」

ちょっと怖い。
俺は持ち上げられたまま、織田の首に手を回してるだけ。

変な浮遊感のまま入れられて、もし失敗でもしたら…と思うと、自然に体が強張ってしまう。


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