「ん……」

鼻にかかった、自分でも笑えるくらいの甘い声。
抜けていくその声をもっと出そうとでもしてるのか、織田のキスはどんどん深くなっていく。

最近覚えた、舌を使ってのキスは、俺の頭も体も痺れさせるのに十分だった。

「は…、お、だ……ぁ」
「ん…もうちょい……な…?」

「んっ、やば、って、もう……来る、…から」
「まだやって……」

織田のイタズラ好きな手が、俺のあちこちを触ってくる。もう、このまま溶けてしまいそうだと…思った矢先。

ガチャリ、とドアが開く音がした。

「ふー。…お前ら、何してんだ?」

「あ、お、お帰りー。じゃ、俺帰るわっ!」

「お、おー…」

織田と同室の吉が入ってきた。
訝しげに見るその視線から、逃げるように俺は部屋を出て行く。

いや、もう織田との関係もすっかりバレてんだけど、やっぱりこういうのは恥ずかしいっていうか…。

挨拶もそこそこに、俺は部屋を後にした。



  


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