「正直に言えよ。別に怒らないし」
「ん〜…」
苦笑を浮かべながら、唸って考え込んでる。
催促するように織田の胸にぐりぐりと頭を押し付けると、観念したのか、一つため息をついた。
「まぁ、そうやなぁ…初めてではないなぁ」
「やっぱり…」
「っても、男は初めてやで?」
「女は?」
「女ぁ? 女は…えっと…」
「そんなに多いのかよ?」
まぁ、織田は目立つし、かっこいいし。寄ってくる女はいっぱいいただろうけど。
ちょっとだけ、…ムカつく。
「俺な、そういうの興味なかってん。せやけど、女がしつこく言い寄ってきて…」
「…それで?」
「体だけでもええって言うから…」
「マジかよ!?」
中学でそんなん言うのかよ、女子って。いや、女子でもエロイこと考えてる奴もいると思うけどさ!
「2〜3人ぐらいやで。俺はただ座っとっただけやし」
「乗っかられたってことかよ?!」
「まぁなぁ…。昔のことはええやんか。今は叶一筋なわけやし」
「…ふーん」
ますますムカムカしてきて、ぷいっとそっぽを向く。
モテるだろうとは思ってたけど…そんなオトナなカンケイ持ってたのか…。
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