「叶、さっきっから挑発してんのか?」
「ちょ、ちょうはつ?」
「ヤーラしい目つきで…見てたやん、俺のこと…」
含み笑いをしながら、俺の耳に何度もキスしてくる。ダイレクトに聞こえるキスの音に、軽く眩暈がした。
「だ、誰がヤラしいって…! お前だろ!」
「否定はせーへん。な、セーブせんでええの?」
『もう、ゲームに集中でけへんやろ?』…そんな織田の心の声が、聞こえたような気がした。
「今度は俺に集中してや…な?」
それに返事はせず、セーブしてDSを閉じた。
言葉に出さずとも、それだけで通じたはずだと思って。
くるんと俺の向きを変えて、向かい合って座る。
そしてまたぎゅううってされて…俺の肩に、織田のあごが乗っかった。
「頭使たら、甘いモン摂らんと…」
「…甘いモン?」
「目の前にあるやん…」
ほとんど吐息に近い声で、ほぼキスしながらの誘いに…あっけなく降伏してしまった。
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