* * *
「ゲッ、まだ帰ってないのかよ…」
10時過ぎ。
一旦家に帰り、夕飯を食べたりお風呂入ったりした後。
浜田のアパートの前まで来たけど…明かりがついていない。
寝てるのかとも思ったけど、それだとバイトの時間と合わないし…きっと残業でも頼まれてるんだろう。
合鍵なんて持ってないから、入れない。
けど、このまま帰ってしまうには気が引ける。
さっきコンビニに寄って、差し入れも買ってきてしまったし。
「しょーがねぇか…」
残業っても、高校生なわけだし、そこまで遅くならないだろう。
そう思いながらドアの前に座り込み、待つことにした。
・ ・ ・ ・ ・
「…泉?」
「んん…?」
いつの間にか眠っていたらしい。
肩を揺すられて見た先には、心配そうな浜田が立っていた。
「どうした? 何かあった?」
「…ん。いや、別に…」
「そう? いつからいたんだ? 危ないだろ、こんな遅くに…」
「ん、今何時、だ…?」
携帯を見れば、すでに日付が変わっていて、自分でも驚いた。
少なくとも30分以上は寝てたってこと…か?
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