「…ん?」

脱衣所から出ると、うっすら聞こえる寝息。
すうすうと規則正しいそれの主は、一人しかいないはず。

「叶くーん…?」

小声で呼びながら寝室へ行けば、ベッドの布団が丸まってる。それをそっとめくれば、叶が枕を抱きしめながら眠ってた。

「うっそーん…」

この期待と興奮は、どうしたらええの…?

ぽつんと取り残された俺は、とりあえず髪を乾かしてみたりサンドウィッチを食べてみたり、目覚ましをセットしてみたりしてみた。

その間に、起きるかなーって。

が、俺の淡い期待も虚しく、叶はその後も目を覚ますことなかった。
せめて、一緒に寝かせてもらおうと布団に潜り込めば、ごく自然とくっついてくる。


それがおかしくて笑いながら、

俺も一緒に眠りに落ちた。



・ ・ ・ ・ ・ ・


ピピピ…と電子音が鳴る。
聞き慣れない音だと思いながら、やけにパチっと目が覚めた。

アクビをしながら寝返りをしようとした所で、やっと気がついた違和感。

腰にかかってる少しの圧力。
耳元で聞こえてくる寝息。

「…!?」

すぐ横に、織田の顔があった。
深い眠りにいるのか、電子音にも俺の動きにも起きる気配は無い。

そうだ、俺は旅行中で、織田のシャワーを待ってて…。

………。

そ、それからどうしたっけ?


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