***


夜10時過ぎ、ホテルの部屋に戻る。そして1日の疲れを癒すため、風呂に入ることにした。

俺が先に入り、入ってる間に織田がサンドウィッチのルームサービスを頼んでたみたい。
ちょっと小腹がすいてたし、ちょうどいいな。

「次俺入ってくるわ」
「お、おう…」

バスローブを持って、入れ替わりで風呂へ行く。
サンドウィッチをもくもくしながら、俺の緊張はなぜか急にどかんと跳ね上がった。


やばい。
織田が風呂から上がればたぶん…そういう雰囲気になるだろう。

いや、
別にそれはいいんだけどさ。

俺も希望してたことだし…でもさ!!

「うあああ…!」

恥ずかしさと緊張で、俺はベッドをごろごろと転がることにした。(えっ)
転がったからって、別にどうとなる訳じゃないんだけど…。

やけに広いベッドを縦横無尽に転がり回った後は、やけに軽い布団を剥いで中に潜り込む。

シャワーの水音を聞き流しながら、暗闇の布団の中、顔を両手で覆う。
声にならない叫び声をあげながらドキドキしているわけだけど。

ど、どうにもならないよな…。


もう、織田に任せるしかない!


覚悟を決めた俺は、そのまま布団の中で延々とシミュレーションをすることにした。


・ ・ ・ ・ ・ 



「ふぅー…」

アカン、めっちゃ緊張するわ…。

叶が緊張してんのが空気で俺にも伝染したみたいやな。何だか念入りに体を洗ってしまい、いつもより長く入ってしまった。


そのせいなのか。


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