問題解決しないまま、部活も終了。
部活中はいたって普通なんだけど…。何だ、この差は?

着替えが終わった奴らからどんどん帰っていき、鍵当番の俺は全員がいなくなるまで待っていた。

すると、いつも最初にいなくなる田島が、まだのろのろと着替えていた。

なんとなく…気まずい雰囲気。
いや、俺が意識してるだけなんだろうけど。

「花井ー」
「…ぁ、え? な、何?」

「栄口から聞いたぞー」
「…は?」

ゾワッと一気に緊張した。
栄口、何言ったんだ…?
よ、余計なこと言ってねぇよな?

「な、なにを?」

「花井が誤解してるってことー」

「ごかい、って…?」

誤解の意味さえ、咄嗟に出てこないぐらいに焦ってる。そんな俺とは対称的に、田島はニコニコしていた。

「俺さー、花井に怒られると思って言わなかったんだけど」

「え? お、俺が?」

「そう。ほら、ここ。でっかい口内炎」

そう言いながら下唇をめくる田島。
見ると、そこには見ていて痛々しくなるほどの…デカくて白い口内炎。

「これ、超痛いんだよなー。ちょうど歯が当るんだよー」
「へ…ぇ。確かに、痛そうだな」

「喋っても笑っても食っても痛いんだよなー。たぶん、お菓子の食いすぎだと思う」
「ふーん」

「で、体調管理もできねーのか!とか何とか、花井に言われるかなーと思って、黙ってたー。へへへ」
「………」

だから、いつもより無口だし、無愛想だったのか…?

いやいや、待て。
それと近寄らなくなるのとは、無関係じゃないか?


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