* * *


「…と、いうことだ」
「へ、へぇ…?」

「俺はどうしたらいいと思う?」
「んー…。俺、そういうのよく分かんないな…」

「分からないでもいい。教えてくれ」
「え〜…? んー…。どうして、三橋はそんなこと言ったのかな?」

「分からん。あいつも、気持ちよくなってるはずなんだけどな…」
「そ、そう… もしかして、だからかもしれないよ?」

「何がだ?」
「だから、阿部にされることが気持ちいいなら、それを…え?」

突然、ガチャッと扉が開いた。
やべぇ見つかったか、と思ったら、そこにいたのは巣山。ああ、そういえば1組は移動だったな。音楽だったのか。

「どうしたんだ、巣山。今大事な話してるんだけど」

じーっと凝視する巣山の視線に、俺と沖がたじろいでしまう。確かに、授業サボってんのは悪いけど、巣山には迷惑かけてないだろ?

「…沖」
「え、なに…?」

「大丈夫か? どこも何もされてないか?」

「へ?」
「おい、そりゃどういう意味だ?」

聞き捨てならずに聞き返せば、ぐいっと沖の体を引っ張って俺から遠ざけた。

「お前、三橋や栄口だけでも飽き足らず、沖にまで手を出すのか…」

「え、えええ…? そ、そうなの?
はい? 俺が、何だって?」

「見損なったぞ、阿部。沖、行くぞ」

「え、ちょ、えええ…?」
「ちょ、待てって、俺は別に何も…」

ずんずんと部屋を出て行き、ドアをぴしゃりと閉められた。栄口も巣山も、あいつら俺をどんな目で見てやがんだ。

少しのショックを受けながらも、もう頼れるのはアイツしかいない。

俺は持っていた携帯を取り出し、「織田師匠」に電話をかけた。





to be continue…

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