* * *


「ハァハァ…。お、沖、ちょっといいか…?」
「へ? …ど、どうしたの? そんなに呼吸乱して…;」

5時間目が始まったが、そんなのは気にしない。

3組の前の廊下を通りかかったら、ちょうど自習なのか教師がいない。
自習のプリントを見て真剣な顔をしてる沖の姿を見つけ、ターゲットをこいつにすることに決めた。

「ふわふわしたお前に頼みがある」
「えっ? ど、どういう意味?」

「いいから、ちょっと来てくれ」
「え、ちょ、引っ張んないでよ! 痛いってば!;」

もう逃がさねぇ。
そう思ったらつい強く引っ張ってしまったが、まぁケガするほどでもねぇしとぐいぐい連れ込んでいく。

「阿部、俺、まだプリント終わってないんだけど…!」

「後で西広にでも写させてもらえ。今そんな悠長なこといってる場合じゃないんだ

「ええ〜…?;」

連れてきたのは、音楽室隣の音楽準備室。
どこかのクラスが合唱の練習をしているのを聞きながら、事の顛末を話した。


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