* * *
「…と、いうことだ」
「そ、そう…」
「三橋を傷つけずに回避する方法、何かないか?」
「うーん…; そうだね、じゃあさぁ、…あれ?」
二人で唸って考えていると、どこから嗅ぎつけてきたのか水谷が遠くから走ってきた。
「阿部ぇぇええええ!!」
何だ?と思ってると、そのままの勢いで俺にタックルをかまし、栄口を強引に攫って走り去ってしまった。←
「ちょ、水谷!? どうしたの!?」
「どらあああああああ!!」
「なっ!? この、クソレ…! 待ちやがれっ!」
人一人を抱えながらも走り去る水谷のタイムは、今ならきっと田島を超えているに違いない。
そのぐらいマッハで早かったため、あっという間に見失ってしまった。
「…くっそ、何だアイツ…!」
息切れしながら悪態をつき、もういないクソレを呪う。
厄日か今日は…。
栄口も盗られてしまったとなると。
次のターゲットは…。
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