* * *
「懐かしいなぁ」
「っても、まだ半年経ってねーけどな」
織田の腕にくるまりながら笑い合う。
あの時は、まさかこんなことになるとは、夢にも思ってなかった。
「俺、織田って真面目な奴かと思った。注意されたし」
「真面目やんかー」
「どこがだよ!」
織田のアゴに軽く頭突きをかましながら言う。それに「痛いわー」とか笑ってやがる。嘘つけコノ。
「俺かて、うるさいガキやなーって思ってたわ」
「何だと?」
「ちょっとの間も落ち着けない奴なんか、ってなぁ」
「あれは畠が…!」
「はいはい」
クスクス笑いながら、俺の頭をぽんぽんしてくる。くそ、相変わらず俺の扱いが上手い奴だな…。
「…なぁ、織田」
「ん?」
今ではかけがえのない存在のコイツに。
いつでも溢れる想いを伝えようと。
「一緒、行こうな…」
「……おーきに」
どこまでも、一緒に。
すぐ触れられる距離にいる
目の前の奴とキスをするため、
ゆっくりと 目を閉じた。
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