「自分らやかましいわ。集中でけへんやろ」
ボソっと呟き、また前を向く。
冷たい目で見られたけど、それは最初の、ほんの一瞬で。後は人当たりの良さそうな笑顔でたしなめられた。
それに、少しの違和感を感じる。
何だろ、何かもやもやする。
畠は少しムっとした顔をしながらも、素直におとなしくなった。
俺も、また担任の話に耳を傾ける。
その間もずっと、
違和感は拭えなかったけど。
* * *
「最後に、簡単に自己紹介をしてもらいます。じゃあ、青山君から…」
出席番号から順々に挨拶が始まる。名前と一言だけ、という簡素なもの。俺もそれでいいかな、と自分の番を待つ。
そして、目の前のデカイ奴の番になった。
「どーも、織田裕行です」
教室の空気が少し違くなった、…気がした。発音のイントネーションのせいか、新鮮な響きにみんなの注目が更に集まる。
「よろしくお願いしますわ」
にこっと笑い、着席する。
こいつ…織田っていうのか。
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