* * *

「あ、……」

逃げていく織田の手を、引き止めるように擦り寄ってしまった。
そのことに我に返り、羞恥が込み上げる。

「…やめてほしくないん?」
「ち、ちが、…!」

言い訳しようにもいい言葉も思いつかず、赤面したまま視線を泳がせていると、織田の手がふっと肌から逃げてってしまった。

肌を撫でる温もりが、ふいにスッといなくなってしまったことに少しの寂しさを感じていると、そのまま織田が俺のシャツに手をかけた。

あれ、と思った時にはもう遅く…一気にシャツを脱がせられてしまった。

「続き、な…」
「あ、お、おだ…ぁ」

露になった上半身を、手だけじゃなくて口でも愛撫されていく。
キスも舐めるのも触るのも撫でるのも、全部が全部熱くて。上半身だけと言えど、やっぱり恥ずかしい。


やめてほしいような、
でもやめてほしくないような。


ぐちゃぐちゃの思考回路では何も結論は出なく、ただ織田のされるがままにされてゆく。

 


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