そういえば、後ろ抱っこからいつの間にか正面向かされてたな、とようやくそこまで頭が追いついてきた時に、唇が離れた。

少し濡れてる織田の口元を見て、今までこれがくっついてたかと思うと…急に恥ずかしさが襲ってきた。

「今更照れんでもええやん…」
「…るせ、ぇ…」

うまく呂律が回らない中、反論して俯けば、今度は耳元に唇を寄せてきて。シャツの中の手の動きも止めず、わざと音を出してくるようにキスされた。

「織田、…どこ、触って、」
「どこって、ここやんか」

ふいに胸の突起を触られ、ビクっと反応してしまった。いや、急に摘まれれば誰だってそうなるだろ!?

「ん、おだ、」
「ここ、気持ちええ感じする…?」

囁きながらの愛撫に、整えたはずの呼吸がまた乱れ始めてしまう。
気持ちいいっていうか、断然くすぐったさの方が大きいんだけど。それを途切れ途切れに伝えれば、また織田が少し笑う。

「視覚だけでヤラれそうやわ……」

うっとりしたように呟かれ、またキスされて。それにドキンと心臓が高鳴ったのに触発されたのか、頭を突き抜けるような快感が襲ってきた。

それは明らかに織田の手によるもので。このままじゃヤバイな、とシャツの上からそっと戒める。

「おだ、ぁ、ストップ…」
「何で…?」

もっと触らせてぇや…との甘い声の囁きに、頷いてしまいそうになるけど、でもここは譲れない。

「ダメ、だ、って、…おだ、」
「勃っちゃう、って…?」

耳元から首元へと移動した唇が、そこを強く吸いつつ聞いてくる。
その通りなんだけど、強く吸われた肌の痛みに意識が行ってしまった。
返事が遅れ、代わりに熱い吐息が洩れてしまう。

「ホンマに…」

虚ろな目で織田を見れば、切なそうに微笑んでいて。

どうしてそんな表情をしているのかよく分からなかったけど、織田の手がシャツから逃げようとしたのを感じて…無意識に自分から織田に擦り寄ってしまった。




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