今までの流れ→


●●たまには、甘い夜を●●●


電話するから、と予告されていた時刻の20時前。
携帯を前にして正座をし、今か今かと待っていると、きっかり20時丁度に音楽が鳴った。

「はい、こちら梅干しです」
『はい、こちら眼鏡ですが。出るの早いな、ワンコールだぞ』

「20時って言ってたから」
『待ってたわけか』

電話の向こうから、微かに笑った声が聞こえた。
それに不本意ながら少しだけ胸が高鳴ってしまったけど…電話で良かった。
顔でバレる所だった。

「で? 何話すの?」
『世間話』

「明日学校で話せばいいじゃん」
『たまには、こういうのもいいだろ』

携帯の通話料金だってバカになんねーのにな。
まぁ、梶持ちだから俺は別に構わないんだけど。

『お前、分かっててやってんだろ。浜田の事』
「さぁ、何の事?」

『俺に嫉妬させて楽しいか?』
「楽しいね! ていうか、やっぱり嫉妬してたんかv」

『はぁ… ったく、何が目的なんだよ。そんなイジワルして』
「別に、特に目的なんてないけど」

はははと笑いながら返すと、また梶がため息をついた。
目的って程でもないけど、好きな奴をイジめて気を惹きたいってのは、よくある話だろ?

調子に乗らせたくないから、絶対に言わないけどな!


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