「さて、梅くん。始めようか」
「その誘い方ヤだ」

ベッドに座って隣をぽんぽんと叩き、ニヤニヤしながら言い放った。
そんな言い方されたら、逆に座りづらいだろ!

はぁ、とため息1つついた後、ぐいっと手を引っ張られる。
その流れのまま、隣ではなく梶に体当たりするような形で、膝の上に座らされた。

引き寄せられた衝撃で、俺の腕が眼鏡にぶつかってしまい、少し痛そうにしてる。
それに笑ってると、梶が「今の内だぞ」とか意味深なセリフを言い、くるんと体制をひっくり返された。

「何が今の内なん?」
「笑ってられるのも、だ」

「きゃーv 何されちゃうんだろーv」
「分かってるくせに」

かけてる眼鏡を外して、ベッドヘッドに置かれた。
それが、まぁいわゆる始まりの合図というか…あぁ、するんですね、って感じだ。

裸眼でも一応は見えているらしい。
俺としても、ハッキリと見られたくないから、丁度いいんだけどな。

「昨夜からおあずけ状態だったからな。しつこいぞ」
「えー、やだ。普通がいい」

「だったら おあずけすんなよ」
「仕方ないだろ、みんな居たんだし」

「こっそりと…あ、いや無理だな」
「え?」

「お前、声デカいもんな。すぐバレるわ」
「デカくないわ!」

そこまでは、と心の中で付け加えながら、パンツごとジャージを引きずり下ろそうとしてる梶を手伝って腰を浮かせる。
会話しながらも手を止めないコイツは、きっと将来仕事もうまくこなせるんだろうな、なんて思ったりして。


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