「…正直に言うと、触りたいです。先輩がいいなら、触ってもいいですか…?」
「……だ、だから、いいって。でも、ちょっとだぞ? ちょっとだけ、なら…」
「はい! もし嫌だなと思ったらストップかけて下さいね! そこで止めますから!」
「おー…」
何だか、やけに念を押されてしまった。
そんなに嫌そうに見えてたのか…ごめん、大地。
そう心の中で謝ると、抱きしめられてた腕が離れていった。
横向きだった体勢を正面になるよう移動して、少し顔が赤い大地に見下ろされる。
自分で言っときながら、『ちょっと』ってどんぐらいだ?
でも、これ以上はダメだと思ったらストップって言えばいいし、身を任せるしか…
「着替えの時とか、何度も見た事あるのに…こういうシチュエーションだと、全然違く見えますね…」
服の裾を捲って、露わになった肌を優しく撫でられる。
大地は少し息が荒くなって興奮してるみたいだけど、俺は反対にくすぐったくて笑っちゃいそうだ。
いや、ここで笑ったら大地に悪いか…
…でも、すっげぇ笑いたい! こちょがすなっつの!
「…っ、ちょい待ち。その触り方やめろよ」
「え?」
「すっげーくすぐったいんだけど。触るならもっと、ガッ!て触れって」
「…分かりました、先輩はそっちのが好みなんですね!」
そっち、ってどっちだ?
よく分かんないけど、手つきがマトモになった気がする。
犬とか猫の背中を撫でるみたいに、しっかりと触れてくる感じに。
これなら、恥ずかしさとかもあんまりないし、くすぐったくもないな、って安心したのに。
「ちょっと、舐めますね」
…な?
舐めます?
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