「…なぁ、大地」
「はい、何スか?」
「俺の事、好きか?」
「え! はい! 大好きです〜v」
「そ、そうか… じゃあ、そのー…」
「? はい?」
「さ…、…さわ…」
「さ?」
「…さ、触ったりとか、してみるか…?」
「………え?」
…やべ、声が小さすぎた。
普通に聞き返された。
も、もっかい言った方がいいんだろうか…
声の音量を間違えて自己嫌悪に陥ってる俺を、「?」って顔でじーっと見つめてくる。
…いや、2回も言えないだろコレ。
今日は諦めるか… また今度にしよう、うん。
「…な、何でもない。もう寝る」
「……いいんですか?」
「え?」
「大丈夫なんですか? その、俺に触られても…」
さっさと寝て忘れようとしたら、予想外の言葉が返ってきた。
え? き、聞こえてたのか?
「無理してませんか? 俺は、先輩とこうしてるだけでも…」
「……む、無理してない」
「本当に?」
「…でも、お前が興味ないってんなら、別に…」
「興味ないと思いますか?」
「え…?」
真剣な目で見つめられて、呼吸が止まりそうになる。
急に変わった雰囲気に、心臓がドキンと飛び跳ねた。
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