「先輩、好きッス〜…」
「…うん」

俺も、という意味で首筋にすり寄ると、ちゃんと伝わったみたいだ。
ぎゅうぎゅうとくっついてきては、顔のあちこちにキスしてくる。

何だか、いつもより糖度が高い気がする。
キスの回数も時間も、徐々に多くなってきてるなとは思ってたけど…今日は特に顕著だ。

「先輩、ココ何かやってるんスか?」
「いや、何もやってないけど…」

「じゃあ、この ふにふには天然ものなんですね! えっへへ〜v」
「…お互い様だろ」

俺の唇を指で触りながら、デレデレしてやがる。
大地だって、柔らかいくせに。

…ていうか、あんまり甘い雰囲気にすんなよな。
自分から拒んでいたくせに、もっと大地と触れ合いたいと欲が出てくる。

けど、今までの数々の言動の手前、言い出せない。
今なら、大地に何をされても受け入れられるような気がしてるのに。

って、それも自分勝手だよな。
俺が「ちょっと待て」って言ってるから、大地は待ってるわけで…

「…? どうしたんですか?」
「あ、別に…」

俺がアレコレと考えてるのがバレたみたいで、不思議そうな顔してる。
こうやってウダウダと考えて、思った事をすぐに言えない性格を何とかしたいわ。

大地みたいにストレートに言えたら…

…いや、言ってみようか。
いつも大地にアクションさせてるんだ。

俺だって、大地のこと想ってるんだって、伝えたい。
もっと近づきたいんだ、って。


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