「それだ! 篠岡からもらったんだよ! 全部食ったのか!?」
「おう、食った! わりと美味かったぞ、桃味!」

悪びれもなくハハハと笑う田島と、ガックリと肩を落とす俺。
2つあるから2回味わえるな、なんてニヤニヤしてたのに、どっちも食うとか…しかも勝手に食いやがってコイツは!

「で、何の薬だったんだ? 発情させるとか?」
「…強制的にラブ期にさせる薬だよ。少しの間だけ、って言ってたけどな」

「おー、なるほど! だからか!」
「…ま、いいや。無理矢理 惚れさせるのも、おかしい気がするし」

自然とラブ期になるのを待つか…
田島のラブ期が激可愛いってのも分かったし、その日が来るまで気長に…

「ちょい待ち!」
「え?」

「おれはいつでも惚れてるぞ? 毎日ラブ期だし、ゲンミツに!」
「えっ! そ、そうですか…」

高らかに宣言されて、少し気恥ずかしい。
じっと見上げてくる田島と視線を合わせられないでいると、ぎゅっと抱き付いてきた。

「はないは、昨日みたいなおれがいいか…?」
「え…?」

昨夜の田島みたいに、とろっとした雰囲気を出しながら甘えてくる。
ちょっとだけ口の端が上がってるって事は、コイツ、わざとだな…

「…昨日の田島も、今の田島も、どっちも田島だ。ラブ期とか関係ない」
「! へっへへ〜v あずさぁ〜vv」

ラブ期じゃない田島だからといって、好きの度合いが変わるわけない。
俺の答えに満足したのか、田島が子犬みたいにじゃれてきた。

そうだ、コイツはいつでも可愛いんだった。
こんな肝心な事忘れるなっつの。


「…なぁ、悠」
「んー?」

「俺も、毎日ラブ期だぞ」
…ええっ!? あ、あずさぁあああ〜!vv」




**END**


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