・ ・ ・
「…ごちそうさまv」
爽やかな顔で微笑まれ、頭をぽんぽんされる。
この、男前め…
噛まれた所をそっと触ると、まだツキッとした痛みが残ってる。
お風呂に入った時とか、染みるんだよね…
「どうした?」
「…あのー、えっと…」
俺の不自然な仕草に気付いたのか、巣山が不思議そうにしてる。
どうしよう、『痛いから噛まないでくれ』って言った方がいいかな?
でも、巣山にとっては何か意味のある行動なのかもしれないし…
歯形がつくぐらいではないし、俺が我慢するべきなのかな?
「…あ、分かった」
「な、なに?」
「足りなかったんだろ?」
「…え!?」
「まだ時間あるしなv」
「ちょ! ち、違う違う! そうじゃなくて!」
「え、違うの? ふーん…?」
「…ち、違うって言ってるのに…!」
不敵な笑みを浮かべながら、さわさわと背中を撫で上げてくる。
普通じゃない、性的な動きが確信犯だ。
そりゃ、俺も気持ちいい事は好きだけど…!
言いたかった事はコレじゃないのに!
「本当に違うの…? ここ、ぴくぴくしてるけど…?」
「…ん、や、だぁ…」
右耳を甘噛みされながら、巣山の両手がその気にさせようとしてくる。
それに抵抗出来ない俺も、どうかと思うんだけど…
「…ん、いただきます…」
「…っぁ、…ん!」
あぁ、また甘くて濃い渦に飲み込まれちゃうんだ。
それに翻弄される自分が、容易に想像出来る。
でも、タイミング見て言わなくちゃ!
もう噛むのはやめてくれ、って!
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