・ ・ ・


明日の朝食のメニューを考えつつ、自然と眠りに落ち…ると思ったんだけど。
一緒に寝てる泉が、もぞもぞと動いてるのが気になった。

「…どした?」
「……ん」

眠れないのかと思ってヒソヒソと声をかけると、俺の胸に置かれていた左手が、首に回ってきた。
…んん?

「…ちょ、っと…!」

すっかり抱き付かれるような恰好になり、すりすりしてきた。
甘えられて喉がゴクリと鳴ったけど、すぐに我に返る。
すぐそこで2人が寝てんのに、誘うようなことするなって!

「…はー、マジやべぇ…」
「な、なにが…?」

「こんな時に… 何とかしろ…」
「何とか、って… えっ…!?」

2人を起こさないようにと小声で話してたのに、すりっと泉のソレを押し付けられて少し大きな声が出た。

まさかとは思ってたけど、本当に発情してんの!?
この最悪なタイミングで!?

「いやいや、さすがにマズイって…!」
「こっそりすればいいじゃん… 2人共、寝たら起きないって聞いた事あるし…」

「そういう問題じゃないって…! ていうか、こっそりなんて無理だろ…! いろいろ音するし…!」
「だから、それをこっそりと…」

「無理だって…! 声だって漏らすじゃん…!」
「お前だって、声出すくせに…」

暗闇に慣れた目で泉を見ると、少しだけ表情が見て取れた。
どうやら冗談じゃないらしい…こんな切ない表情、いつもなら喜んですぐに頂くのに…!

今まで誘われて断った事なんて1度もないけど、今夜ばかりはさすがにダメだ!
情に流されて、もしバレてしまったら気まずい事この上ない!

ここは、何とか落ち着いてもらうしかないよな!


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