* * *


少し照れくさそうに告げられた想いに、理解するまで少し時間がかかった。
数秒後に意味が分かった途端、顔がボンッて爆発したんじゃないかってぐらいに、カーッて熱くなる。

いや、「俺も」って言われた時点で、そうなんだろうけど。
改めてハッキリ言われると、物凄い破壊力だよコレ…!

「あっははは! 水谷スゴイよ、顔が!」
「…えぇ?」

「真っ赤だよ、りんごみたい!」
「そうそう、青森の特産物だよ、って違うから!」

おかしなテンションになっちゃって、ノリツッコミしたら栄口がお腹抱えて笑ってる。
りんごにしたの栄口でしょうが!

…でも、良かった。お互いに笑い合えてる。
気まずくなったり、距離を置かれたりしたらどうしよう…なんて思ってたけど。

両想いになれたんだ。
ううん、もしかしたら、俺たちには片思いの期間すら無かったんじゃないかって自惚れてしまう。
出会った時から…いや、出会うずっと前から、両想いだったんじゃないか、って。

「ねぇねぇ、栄口。その、これからもどうぞよろしくお願いします!」
「え! いえいえ、ご丁寧に…こちらこそ、よろしくお願いします!」

お互いにまだ少し緊張が残ってるけど、笑いながらお辞儀をする。
顔を上げると、そこには世界で1番可愛い栄口が微笑んでいた。

…この笑顔を見れるなら、何だって出来ちゃうって。

「…あ、もう日が暮れるね。そろそろ帰らないと…」
「あ、そうだったね! 家まで送ろうかv」

「い、いいよ、方向違うし… ここで大丈夫…」
「えー… じゃあ、後で電話していい?」

「え! う、うん。もちろん、いいよ」
「へへ〜v」

もじもじと照れてる栄口に、ついデレデレしちゃって頬が緩む。
本当はもう少し一緒に居たかったけど、夜の電話で我慢しよーっと!

「それじゃ、また後でね! 気を付けるんだよ〜!」
「そっちこそ、気を付けてね!」

笑顔で手を振り合って別れ、お互いに家路に向かう。
歩きながら考えるのはもちろん、栄口のことばっかり。

初デートはどこがいいかな!
そうだ、水族館のチケットが手に入る予定があったんだ!

栄口はペンギン好きかなぁ?


今夜の電話で、聞いてみようっと!v




**END**


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