「とりあえず、迅は『まだ分からない』って返事でいいんだよな?」
「す、すいません! ずっと考えてはいたんですけど…!」
「ははは、いいよ。断られるより望みはあるし、いろいろと収穫はあったし」
「収穫、って…?」
「迅が、満更でもないって感じv」
「ええっ!?」
そ、そんな上目線な態度取ってたかな!?
あーもうさっきから何やってんだよ俺のバカ!
「ぃよーし! こうなったら、何が何でも迅を振り向かせてやるぞ!」
「えっ! な、何…!」
「島崎慎吾、本気になります。これから口説き落としていくから、覚悟するんだな」
「な!」
不敵に笑った慎吾さんを見て、また心臓がドックンと飛び跳ねた。
これは緊張から? それとも……
「とりあえず、餌付けでもしようかな。飯でも食いに行こーぜー」
「え、餌付けって…」
「うまいラーメン屋があるんだけど、行かねーの? うまいぞ? すげーうまいぞ?」
「…行きます!」
まるで宣戦布告のような誘いに、受けて立つ!みたいな返事になってしまった。
頭も心も使ったら、お腹が空いちゃったんだもん。
それを知ってか知らずか、慎吾さんがイタズラが成功したような楽しそうな顔してる。
ご飯を食べに行くのは、別に付き合ってなくてもする行為だし…と心の中で自分に言い訳をしながら、先に歩く慎吾さんについていく。
餌付けなんてされないぞ!
でも、お腹は空いてるから仕方ないんだ!
とりあえず、これからの事は
腹ごしらえしてから、悩もうっと!
**END**
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